典型的なマンション投資
脱税は犯罪であって決して許されない行為で、社会的制裁を受けるのは当然でしょう。
けれども、脱税と節税を同一視して、脱税に対する攻撃を節税に向けることはあってはなりません。
脱税犯(逍脱犯)の構成要件=脱税とは不正手段を使って税金を免れていることで、不正手段とは法律上「偽りその他不正の行為」と呼ばれるもので、税金逃れを可能にするすべての行為を行います。
脱税犯には納税義務者本人およびその事務を処理した人だけでなく、さらに加担した人も共犯として刑事罰が科されます。
なおそこには、偽計工作と税を免れる意図が存在していることが必要です。
これまでの判例等から次の実例があげられます。
二重帳簿の作成。
売上除外。
架空仕入の計上。
棚卸資産の除外。
他人名義の使用。
架空名義預金。
売買契約書・議事録等をバックデートで作成。
帳簿書類の隠匿・廃棄。
ことさらに過少の申告書提出。
重加算税適用の要件=会社が、法人税の課税所得や税額の計算のもとになる事実の全部や一部を「隠蔽し、または仮装」していた場合、不足税額に対し重加算税が適用されます。
隠蔽や仮装の内容は、現実には、「偽りその他不正行為」とほとんど一致しています。
しかし、社会的非難にまであたらないので脱税犯とせず、より手続的に簡単な行政処分で経済的制裁を加え、税収の実をあげることが重加算税の目的です。
脱税犯と重加算税は、二者択一でなく、両方適用されるケースもあるわけですが、現実には、社会的非難性が著しく高い場合に、脱税犯とされています。
脱税犯に対しては、各税法で罰則規定を定めていますが、五年以下の懲役もしくは、五〇〇万円以下の罰金(両方科すことも可)が科されます。
なお脱税額が五〇〇万円超の場合には、情状により五〇〇万円から脱税額までの範囲で罰金額が決められます。
脱税すれば当然、青色申告の承認(数々の税務上の特典があるため、ほとんどの会社が青色申告法人となっている)も取り消されます。
そして、脱税額を青色申告法人の取消をしたうえで算定する(脱税額が増える)判例も出ています。
次に脱税犯とされる人は、法人の代表者、代理人や従業員等で脱税行為を行った人です。
また、共謀者がいれば共犯とされ、そのばかにも教唆犯、幇助犯も成立することがあります。
二重帳簿や架空取引といった不正手段は、節税策とは峻別されなければなりません。
納税者である会社は、あくまで、事実を正しく判断し、合理的根拠に基づいた法律解釈で法人税の計算をすべきです。
節税努力もその範囲内にとどめ、不幸にして、事実判断や法律解釈に誤りがあったとしたら、いさぎよく過少申告加算税を納めるという姿勢が大切です。
脱税とされた事例には次のようなものがあります。
税務対策として年度すべての帳簿をコンピュータを使って改竃し、預金を隠していた。
偽りの請求書、領収書を使って外注加工費を架空計上した。
架空従業員をおいて、人件費を水増ししていた。
自社ビルを売却する際、欠損会社と通謀して架空借入金の担保として自社ビルを提供して代位弁済し、欠損会社に譲渡益をシフトさせた。
関連の赤字会社から架空の仕入を計上する。
法人税の申告は会社の確定した決算書に基づいて計算します。
後で訂正が効きませんから、決算時にしっかり検討しておくことが必要です。
費用計上が認められるのは、原則として、債務が確定しているものに限られます。
特別の場合を除いて、費用の見積計上は認められません。
法人税対策で忘れてならないのは、「策に溺れるべからず」ということです。
形式面だけを整えても、税法は実質面を見逃しません。
会社の業務活動を念頭において法人税を考えていくときには、個々の税務のルールを理解する前に、法人税の根底にあるいくつかの考え方を掴んでおくことが大変重要であります。
法人税法は、明文で、会社は確定した決算に基づいて法人税の申告を行う必要があると定めています。
商法では会社は毎事業年度の定時株主総会で、公正な会計慣行に基づいて決算を承認確定することを強行法規で定めています。
会社はこの確定した決算書に基づく当期利益を基にして法人税の確定申告をします。
そこで、法人税法は課税所得(税務上の利益)の計算をするのに、決算書上の当期利益と税務上の課税所得をできる限り一致させたいという考え方から、一部を除き、税法の要求事項を取り入れた決算を要求しています(どうしても一致できない事項が申告調整と呼ばれる。
つまり、確定決算の原則とは、言い換えると、会社の正式の決算で計上されていなければ税務上も認めないこと(内部計算事項)、複数の方法が認められている場合、会社の正式の決算で選択した方法が税務上も認められる方法であるということ(選択事項)がその内容です。
内部計算事項=減価償却費の計上、貸倒引当金、賞与引当金等の引当金や準備金の繰り入れ、土地の買い換えに伴う圧縮記帳等、評価損の計上、少額資産の費用処理等については、外部との取引付けられている数値ではないことから、会社決算書に経理されていることがまず大前提としています。
もし、決算で計上し忘れると後で申告書で計上しようとしても税務上絶対に認められません。
また、少し性格は違いますが、賞与や退職金については、利益処分の性格がないともいえないので、決算上会社の費用または損失として計上した場合にのみ、税務上も認めることにしています。
選択事項=売上計上方法には、通常の販売基準のほかにも、工事進行基準、延払基準などがありますが、また、減価償却方法にも定率法、定額法があります。
このほかにも、会計上・税務上複数の方法が、数多く認められています。
これらはいずれも会社の意思で選択できますが、選択した方法によって課税所得が大きく変わってきますので、会社決算で計上した方法を、税務上の選択した方法としています。
税務申告は株主総会の後で行います。
申告書作成のときに有利な方法に気がついても、すべて「後の祭り」となってしまいます。
一般に確定決算の原則は、上場会社では決算の適正開示と税務ルールの乖離の問題として議論されますが、中小企業にとってはもっと実務的で、決して「後の祭り」とならないように注意する重要な原則です。
公正な会計処理の原則法人税法は、明文で、税法で別途ルールを定めていないことについては、一般に公正妥当な会計処理の基準によって課税所得を計算すると定めています。
これは当たり前に聞こえますが、税務センスを問われるときの大事なポイントです。
経済は休むことなく成長発展し、企業の課税所得を計算するルールも常にこの複雑多岐にわたる時代にマッチしていることはできません。
したがって会社決算で税務上のルールに先行して実態に適応した会計処理がなされる場合も少なくありません。
一方で税法も事細かに規制すると税法が複雑になり本末転倒となってしまいます。
そこでこうした場合には、それが一般に公正な会計慣行となっている場合には、それを尊重しましょうという考え方をとっています。
したがって、明文で条文や通達に示されていない場合には、会社は適正な会計処理を行えばよいことになります。
一般的には権威ある団体や出版物に紹介されている処理が参考となります。
この基準は、固定資産の減価償却費や貸倒引当金繰入額、賞与引当金・退職給与引当金繰入額といった項目以外の費用については、事業年度末までに債務が確定していないと税務上の費用として認めないというもので、これを「債務確定基準」と呼んでいます。
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