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自動車保険 見積もりとは?その評価と現実

投資家はその格付けを参考にしつつ、自己責任で投資を行ってきたのである。
一方、日本の場合は、社債に担保をつけることで社債権者の保護を図ってきた。
ルーツは明治末期、社債のデフォルト続出に対して銀行が進めた「社債浄化運動」にある。
よい社債とは何か。
それは担保のついた社債である。
こうした主張のもとに銀行が原動力となって政府に働きかけ、担保付社債信託法(担信法)という法律を誕生させた。
社債については、社債の購入者に代わって「受託銀行」がその担保を管理する。
これが担信法の骨子である。
形は購入者からの受託であっても、実際に手数料を支払うのは発行体(起債者)である。
これが莫大な収入となって、それら「受託銀行」を潤すことになった。
銀行にとっては、将来、企業の資金調達が、銀行借り入れから社債にシフトしても、それなりの収入が確保されることになるが、起債する企業にしてみれば、それだけ社債発行コストが高くなる。
さらに一つ、これに社債登録制度なる仕組みが加わる。
1942年の戦時立法である社債等登録法によって、「受託銀行」がそのまま登録機関となって、債券の保有者に「保有者であること」を証明するというシステムが誕生したのである。
債券の保有者は債券の現物(券面)は受け取らずに、代わりに登録機関(銀行)から「登録済証(済証)」を受け取る。
なぜこんな手続きが必要になったのかと言えば、これが戦時立法の戦時立法たるゆえんで、要は戦災による券面の損傷・消失といった事態に対応するため、あるいは紙不足のためというのがその理由である。
これによって銀行は、先の受託料他に加え、やはり債券の発行体から登録手数料という収益源を手にすることになった。
登録手数料が高いこともあって、銀行は新たな収益源を得たけれど、この登録制度ほど債券の円滑な流通を阻害したものはなかった。
債券の保有者が変わり、決済が行われるたびに、新しい保有者は登録済証の発行を受けなくてはならない。
社債を買った人は、売った人の承諾書を添えて、銀行に名義の書き換えを申請することになるが、その手続きが完了するまでに三週間もかかるのである。
不動産売買の方が早いといわれるほどだった。
この戦時立法がじっはまだ生き残っている。
80年に日銀が国債振替制度を発足させ、以後、国債の決済システムがオンライン化したのにともなって、社債の方も決済一元化の時代が見えてきた。
旧来の登録機関は不要になるわけだが、銀行の側がこれを手放さないというのが現状である。
いっそう歴史が古い「受託銀行制度」の方はどうなったのか。
こちらは改善が進みつつも旧来の慣行が残存している、といったところである。
93年の商法改正では、従来の「受託機関」には、「社債管理会社」という一段軽い役割が割り当てられたが、改正の過程で問題になったのは、この「社債管理会社」の設置が義務か任意かというその一点であった。
社債を起債・発行する企業にとっては任意が望ましいことはいうまでもないが、ことは金融機関の権益にかかわる問題である。
紛糾の末、世界でも例のない「社債管理会社」の必置義務が法制化され、併せて妥協の産物として、「券種が一億円以上の債券のみを発行する発行体は、その限りにあらず」という例外規定が追加された。
「券種が一億円以上」であれば、社債管理会社を設けなくてもよいとなったのは、次のような理由による。
つまり、一億円以上の債券を購入する投資家は、機関投資家、プロに違いない。
投資のプロであれば、社債のリスクについてもよく知っているだろう。
この場合は社債管理会社が関係する必要はないのではないか、という論理である。
しかし、興味深いことに、戦前からの長年の慣習のゆえ、銀行との力関係がものを言ったのか、日本の企業の多くは、法改正後、一億円以上の券種を発行する場合も、引き続き担保をつけ、社債管理会社を銀行に委託していた。
そこで「ソフトバンク」などの行動が目を引くことになる。
同社は、こうした慣行が支配的な市場で、あくまで法改正の機を逃さず、野村讃券と組んで一億円以上の完全無担保債を発行したのである。
大手銀行との摩擦がさまざまに取りざされたが、それは本書のテーマとは少し離れる。
サムライ債とユーロ円債さて、以上は日本市場の特異性にまつわる歴史的沿革をごく簡単にたどったにすぎない。
企業であれ、政府であれ、海外の起債体にとって右に見たような規制・慣行が組み込まれた日本市場は、はたして魅力的であろうか。
他にも有価証券取引税の問題、源泉徴収税制の問題、あるいは政府短期証券市場の機能不全の問題等々、「円の使い勝手の悪さ」という言葉で総称される日本の資本市場の問題点は枚挙にいとまがなかった。
そうした環境をそのままに、日本は経常収支の黒字時代を迎えることになったのである。
ここから「サムライ債」、「ユーロ円債」という、二つの円建て債券のねじれた関係が生まれたのは当然というべきであろう。
コストの高い、手続きの煩墳な日本市場で、1970年、はじめて円建て債を起債したのは、アジア開発銀行であった。
これがアメリカの「ヤンキー債」との連想でそう呼ばれることになったサムライ債の第一号であるo純粋な公募とはいえなかったが、いわばショー・ウィンドウとして大蔵省も成功のために尽力した。
もとより公共機関の起債であるから無担保ではあったが、銀行への登録という制度には従わねばならなかった。
大蔵省は72年、サムライ債の「適債基準」を設ける。
①わが国が加盟し直接関係のある国際機関(たとえばアジア開発銀行や世界銀行)②欧米市場で公募債の発行実績を積んでいる外国政府及び政府機関、地方政府この二種類の公的機関が東京市場で円建て債を発行できるものと定められた。
銀行の権益擁護が本音で、投資家の保護が大義名分といったところであろう。
もっとも、この公共債の適債基準はその後何度か拡大される。
79年には海外の民間企業にも適債基準が設けられ、こちらの基準も、アメリカからの自由化要請を受けて、相継いで緩和されることになる。
しかし、民間の起債の場合はあくまでも担保付きで受託銀行が必要であったサムライ債は、石油ショックによる国際収支の悪化から、起債第二号の世界銀行債の後、20カ月にわたって発行が途絶えることになる。
国際収支に改善が見えた75年に発行が再開され、以後は毎年、2000億円から6000億円の発行額で推移した後、84年に1兆500億円を記録するにいたるが、しかしこの年、すでに後発のユーロ円債がこれを急追していた。
空洞化する金融市場ユーロ円債は、ユーロ市場を舞台に起債される円建て債で、77年、サムライ債を補完するものとして発行が認められた。
海外の銀行や邦銀の現地法人が保有する円を対象に、スイスなどの市場で取引され、起債体は非居住者、つまり海外の企業や公共機関である。
「サムライ債を補完」とは、つまり、時間をかけて銀行を納得させ、段階的に規制緩和を行ってサムライ債市場を成熟させるまでの間、という意味である。
その間、規制と慣行の固まりであるサムライ債が不利にならないよう、ユーロ債にハンディキャップが設けられた。
日本の投資家が手持ちの円で投資をする、すなわち国内でユーロ円債を購入するには、起債から6カ月待たなければならないという制限がつけられたのである。

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